

私がバイオリン初心者の時、スタッカートって何やねんといつも思っていました。
楽譜に小さな点で示されるこの奏法は、音を短く切り離して弾くことで、演奏にメリハリやリズム感を与えてくれる大切なテクニック。
しかし、初心者にとっては「どう弾けば良いの?」と疑問に感じることも多いでしょう。
さらに、中級者以上になると曲の表現に応じた奏法選びなど、より高度なテクニックが求められます。
本記事では、
基礎を丁寧に学ぶことで、あなたの演奏は確実に一歩レベルアップするはず。
一緒に見ていきましょう。
スタッカートとは?バイオリンでの基本的な意味
スタッカートの弾き方を早く読みたい方はこちらでジャンプ→
バイオリンを弾いていると、楽譜の音符の上や下に小さな点「・」がついているのを見かけることがあります。

これが「スタッカート」。
スタッカートはイタリア語で「切り離された」という意味を持ちます。

初めて聞いた
その名の通り、音を他の音よりも切って弾くことで、音楽にメリハリやリズム感を生み出す大切な奏法。
例えば、普通に弾けば「ラーーー」という音が出ますが、スタッカートなら「ラッラッラッ」と区切られて聞こえます。
こうすることでスタッカートは、
・音が軽やかに響く
・鋭く響く
といったように、演奏全体が生き生きとした印象に変わります。
つまりスタッカートは、単なる記号ではなく「音楽の表情を豊かにするためのサイン」なのです。
【失敗談】スタッカート=ただ短く弾くことではない
私はバイオリンを始めたばかりのころ、スタッカートは「とにかく短く切って弾くもの」だと思っていました。
ところが、バッハの「メヌエット」を練習していた時、私はこう弾いていました。

そのときの楽譜は以下です。

動画を見てもらうとわかるように、スタッカートをかなり短く弾いてしまっています。
でも、実はこの場面は本来こう弾くのが正解とされています。
ここではスタッカートにスラーがついている。
これは「短く切る」というよりも、「音をつなげながら、きれいに収めてほしい」という意味がこめられています。
つまり、バッハさんはこのフレーズで、
「音を響かせつつ、自然におさめてほしい」
と伝えたかったのです。

バッハすまんかったな
スタッカート記号の正しい意味を知ろう
楽譜に書かれるスタッカートは、基本的には「音を短くする」という意味を示しています。
ただし、上記の体験談でも話た通り、短くするといっても「どれくらい短くするのか?」は曲や演奏者の解釈によって変わります。
といった具合に、曲の場面によってニュアンスが異なるのです。
同じスタッカートでも、速いテンポや強い音・弱い音の指示によって、感じ方は大きく変わります。
ただ「音を短くする」だけではなく、その曲の流れや雰囲気に合わせて表現することが大切。

柔軟性が大事ってことね
初心者が知っておきたいスタッカートの弾き方
初心者がまず意識すべきなのは「弓を弦にしっかりつけたまま短く音を出す」こと。
弓をバウンドさせる必要はありません。
以下の基本ステップを意識しましょう。
①弓を弦にのせ、しっかりと圧力をかける
②短い動きで音を出し、すぐ止める
③次の音を出す前に、弓を弦に軽くつけたまま、ちょっとだけ待つ
以下で動画を見ながらやってみましょう。
基本のステップ深堀
ステップ①:弓を弦にのせる
ステップ②:しっかりと圧力をかける
ステップ③:短い動きで音を出し、すぐ止める
ステップ④:次の音を出す前に、弓を弦に軽くつけたまま、ちょっとだけ待ちます。
ステップ⑤:2に戻る
これを繰り返すことで「弓を跳ねさせずに切るスタッカート」の感覚を身につけることができます。
最初から速く弾こうとせず、1音ずつ確実に「短く、止める」を意識することが上達の近道。

焦らないことが肝心ね
では、以下でスタッカートの練習をより深堀していきましょう。
効率的な練習法と上達へのステップ
ここでは、スタッカートを身につけるために段階的な練習方法をまとめました。
- ロングトーンを安定させる
→ 弓をまっすぐ、きれいに弾けることが前提。
ロングトーンについて詳しくはこちら→
- 1音だけスタッカートで弾く
→ 上記の弾き方を思い出して、短く切って弾いてみましょう。 - 2音・4音と徐々に数を増やす
→ 連続して短く切れるようにする。 - スケール練習に取り入れる
→ ドレミファソラシドをすべてスタッカートで弾く。 - 実際の曲に応用する
→ 短いフレーズをスタッカートで表現してみる。
この流れを繰り返すことで、自然とスタッカートが弾けるようになってきます。
スタッカートをきれいに響かせるためのコツ
スタッカートを弾くと
・音がかすれる
・力を入れすぎてガリッとする
と悩む人も多い。
きれいに響かせるには次のポイントを意識しましょう。
ポイントは以下です。
・右手の圧力は適度に
・リズムを保つ
・力を抜く、脱力
・音のイメージをしっかりもつ
ちなみにXでアンケートを取りました。
バイオリン経験者の皆さんに質問です🎻
— 🎻ねるねブログ♪ (@neruneblog) October 9, 2025
ブログ記事の参考にしたいので、
「スタッカートを弾くときに意識していること」を教えてください。
あなたの回答が、これからの記事内容を決めるヒントになります!
👉 以下の中から、一番近いものを選んでください
”音のイメージをしっかりもつ”を意識している人が一番多かったですね。

なんにせよ音楽はイメージが大事
ポイント1:圧力は“適度”に
力を入れすぎるとつぶれた音になります。弦が響く程度の圧力を見極めましょう。

結局音楽は脱力大事
ポイント2:リズムを一定に保つ
音を切ることばかり意識すると、リズムがくずれやすくなります。
とくにスタッカートでは、テンポがどんどん早くなりがち。

気持ちが焦っちゃう
だからこそ、スタッカートを弾くときほど、落ち着いた気持ちで弾くことが大切です。
メトロノームを使って、リズムを安定させる練習をしてみましょう。
ポイント3:身体全体の脱力
スタッカートを意識しすぎると、「音をハッキリ変えなきゃ!」と思って、体に力が入りやすくなります。
特に、バイオリンを始めたばかりのころはそうなりがち。

私は力入りまくって右手は血管浮きまくりでした
なので、スタッカートを弾くときは「できるだけ力を抜いて弾く」ことが大事なんです。
曲が難しくなるほど、つい力が入ってしまうので、リラックスすることを意識しましょう。
ポイント4:音のイメージをしっかりもつ
スタッカートは、音のイメージをしっかり持つことはがとても大切です。
なぜなら、イメージがないと「なんとなくのスタッカート」になってしまうから。

ふわふわな気持ちで弾くと音もふわふわ
上記でもお話ししたように、スタッカートは曲やフレーズの場面によって弾き方が変わります。
だからこそ、「どんなスタッカートにしたいのか」を考えながら弾くことがとても大事なんです。
以上、これらを意識するとスタッカートは「ただ音を短く切る」だけでなく、「一つ一つの音がそろったきれいな音」に変わります。
にスタッカートが身につきます。
スタッカートとスピッカートの違いを整理
多くの人が混乱するのが「スタッカート」と「スピッカート」の違いです。
・スタッカート:弓を弦につけたまま、短く切って弾く
・スピッカート:弓を弦から軽く浮かせ、自然な跳ねを利用して弾く
見た目は似ていますが、弓の扱い方が大きく異なります。
スタッカートは「弓を弦につけたまま音を切る」
スピッカートは「弓を弦から浮かせて音を切る」
というイメージを持つと理解しやすいです。
中・上級者向けの一弓スタッカートや応用技法
スタッカートには「一弓スタッカート」という難易度の高い技法もあります。
これは、1回の弓の動きの中で、いくつもの音を続けてスタッカートで弾く奏法。
たとえば、アップボウ(ダウンボウ)で「タタタタタ」と5音を短く区切る、といった弾き方。
曲で応用するとこんな感じです。
この奏法を身につけるには、手首を柔らかく使い、弓を軽く上下に弾ませるような感覚を練習することが必要です。
飛ばし弓(スピッカート)の技術を習得すると弾き易くなります。
スタッカートを使った曲の表現とニュアンス作り
スタッカートはただ「短く弾く」だけではありません。
曲の性格に合わせて、軽やかにしたり鋭くしたりと、ニュアンスを変えることができます。
・明るくコミカルに:短く軽く
・力強く鋭く:強めに切る
・切なさを出す:やや長めに響かせる
このように、スタッカートの「長さ」「強さ」「響き方」を調整することで、同じ記号でも全く違う印象を作ることができます。
動画でもわかる通り、ビブラートを使っています。
スタッカートとビブラートはとても密接な関係にあるので、スタッカートで表現をより豊にするためにはビブラートは必須。
ビブラートについて詳しく知りたい方は、『ビブラートのかけ方を初心者向けに分かりやすく徹底解説』を見てみてください。
場面に応じた奏法の選び方:マルテレ・スピッカート・コレ
楽譜に点がついていたとしても、必ずしも「同じスタッカート」で弾くとは限りません。
曲によっては以下のように奏法を使い分けます。
・マルテレ:力強く押さえてから離す
・スピッカート:軽快に弓を弾ませる
・コーレ:弓を弦に引っ掛けて即座に離す
つまり、スタッカートは「音を短くする」という大まかな決まりを示しているだけ。
実際にどんなふうに弓を使うかは、演奏する人の考え方や曲の雰囲気によって変わります。
まとめ
「バイオリン スタッカート」は、初心者にとっては「短く切る基本技法」であり、中・上級者にとっては「表現の幅を広げる手段」。
基礎を確実に身につけることで、演奏はぐっと引き締まり、音楽に生命感を与えることができます。
ぜひ毎日の練習に取り入れて、あなたのバイオリン演奏を一歩レベルアップさせてください。

でも、独学だとどうしても弓の使い方や表現力に限界を感じてしまう…
こんな風に思ったことはありませんか?
私自身、初心者の頃は何度も壁にぶつかり、悩み続けていました。
同じように困っている人は少なくないはずです。
そんなときに大きな力になってくれるのが、指導経験豊富な先生に習える「音楽教室」。

音楽教室では本当に悩み消えるの?
はい。音楽教室のレッスンで正しいフォームや練習法を身につけることで、上達のスピードは一気に変わります。
そこで、初心者から上級者まで安心して通える【音楽教室オススメランキング】をまとめました。
実際に通った人の声や特徴を比較できるので、あなたに合った教室が必ず見つかります。
独学で悩み続けるよりも、早めに正しい指導を受けることが、上達への最短ルート。
まずは一度私が渾身の想いでまとめた【音楽教室オススメランキング】をチェックしてみてください。
あなたの演奏を一段と輝かせる出会いがきっと見つかるはずです。



コメント