
私は25年前の初心者の時「弓がプルプル震えて音が安定しない」と悩んでいました。
思うように演奏できず、「自分には向いていないのでは」と不安になる毎日。
この記事を読んでいる皆さんもそう感じていると思います。
ですが、皆さんは安心してください。
弓の震えは誰もが経験するごく普通の現象で、必ず改善できます。(私がそうだったように。)
原因は大きく分けて、
といった要因があります。
この記事では、それぞれの原因をわかりやすく解説し、初心者でも取り入れやすい練習方法や弓のチェックポイントを紹介します。
今から取り組めば数週間〜数か月で安定した音が出せるようになり、不安を安心に変えることができます。
弓の震えは本当に起きている?勘違いの可能性もある
「弓が震えている」と感じるのは、必ずしも事実とは限りません。
バイオリンは非常に繊細な楽器で、わずかな音の揺れや手の細かな動きも自分には大きく感じられます。
弓は常に震えている!とノイローゼ気味だった体験談
私は、初心者の時、人前で弾くときに以下のことを考えすぎていました。
・弓が震えている!
・震えているのをみんなバカにしているに違いない
・震えている自分はなんて才能ないんだ、、、。
とノイローゼ気味になっていた時期がありました。
こうなると、バイオリンを弾くこと自体が楽しくなくなっちゃいます、、、。
神経質な人ほど、そう思いやすい
しかし録画して確認すると、実際には弓は安定しており、音も大きくブレていないケースは多い。
初心者は「自分だけが下手に見える」と思いがちですが、それは錯覚のこともあります。
まずは鏡やスマホ動画で客観的にチェックしてみましょう。
もし震えが目立たないなら、それは自信を持つチャンスでもあります。
弓が震える4つの主な原因
バイオリンを弾いていて弓がプルプル震える原因は大きく4つ。
- 弾き方の問題(技術的なこと)
- 緊張や不安(メンタルのこと)
- 弓や弓毛の状態(道具のこと)
- 実は震えていないのに、そう感じてしまう勘違い
順番に解説。
1. 弾き方の問題
自分の弓の使い方を思い出してみましょう。
・弓をぎゅっと握りすぎていませんか?
・指や手首がかたくなっていませんか?
・弓が真っすぐ動いていませんか?
・弓の重さと動かすスピードのバランスはとれていますか?
これらに当てはまると、弓がプルプル震えやすくなります。
私もバイオリンを始めたころは、力を入れすぎて腕に血管が浮き出るくらいでした。
そのせいで弓がよく震えていました。
改善するには「右手の力を抜くこと」と「腕の重みを弓にゆだねること」を意識するのが大切です。
右手の構えについて詳しくは、『【弓の持ち方】バイオリンの右手の形を徹底解説!』で解説しています。
2. 緊張や不安(メンタルのこと)
家で練習している時は大丈夫なのに、先生の前や人前で弾くと急に弓が震える…こんな経験はありませんか?
私は人前で演奏すると必ず手の感覚がなくなり頭が真っ白になりプルプル震えていました、、、。
これは、
・「緊張」
・「不安」
が原因。
心臓がドキドキしたり呼吸が浅くなると、体がかたくなって手が震えやすくなります。
解決のヒントは「深呼吸」と「リラックス」。
弓を動かすときに息を止めず、吸ったり吐いたりと呼吸を意識すると、体の余分な力が抜けて震えにくくなります。
体験談:自分にウソをつかない(良い意味で諦める)
私は、
「自分は緊張していない!」
「必ず冷静になれる!」
「自分だって落ち着いて弾ける!」
のように知らず知らずに追い込んでいた時期がありました。
でも、ある時、
「自分にウソをつくのはやめよう」と思い直して緊張する自分を受け入れるようにしました。
すると必然的に気持ちが楽になり、演奏するのが楽しくなった時もありました。
「あー、発表会もうすぐだ。緊張するな、、。上手く弾ける自信ねぇ、、、」ってこういう時に「私は緊張しない!できる!弾ける!」って思うと自分にウソをつくことになる。まずは自信がない自分を100%受け入れて「ボロボロな自分でも何かできることあるかな」と他人事のように考えるのが1番の最適解🐶
— 🎻ねるねブログ♪ (@neruneblog) February 12, 2021
体験談:お医者さんに相談した
それでも私のアガリ症はかなり重症で、ニッチもサッチもいかなくなった時期もありました。
そんな時は、お医者さんに相談して専門的な薬を処方してもらった事もあります。
そのときは、たまたま私には合っていたのか、少し落ち着いたように感じました。
ただし薬の使用については、必ず医師や薬剤師に相談してください。
これは私個人の体験談であり、効果を保証するものではありません。
詳しく知りたい方は、医師が解説しているこちらの記事も参考になるかもしれません。
https://uchikara-clinic.com/prescription/inderal/
3. 道具の問題(弓や弓毛のこと)
どんなに正しく弾いても弓がプルプル震えてしまうときは、弓そのものに原因があることもあります。
弓の状態が悪いと、正しく練習しても音が安定しにくくなります。
まずは次の3つをチェックしてみましょう。
・弓の毛が古くなっていないか
・弓の張り具合(はりぐあい)が正しいか
弓の毛が古くなっていないか
弓の毛がすり減ると、松やにがつきにくくなり、音が出にくくなって安定しません。
目安として、半年〜1年に1回は弓毛を交換するのがおすすめです。
プロの演奏家は3〜4か月に1回取りかえる人もいます。
「弦楽器 近く」と検索して、近くの楽器屋さんで毛替えをお願いしてみましょう。
弓の張り具合(はりぐあい)が正しいか
弓の張りが強すぎても、ゆるすぎても音が不安定になります。
目安は、弓の木と毛の間に鉛筆1本が入るくらいのすき間です。
強く張りすぎても、ゆるめすぎても弓が震えやすくなるので注意しましょう。
弓が自分に合っているか
弓が重すぎたり軽すぎたりすると、腕に余分な力が入り、弓が震えやすくなります。
実際に、私も昔は重すぎる弓を使っていて、それが原因で弓が安定しませんでした。
✖️「音が安定する弓」=高い弓
◯「音が安定する弓」=自分に合った弓
弓の正しい選び方については、
『バイオリン弓の選び方!歴25年の私が見分け方の秘訣を伝授!』
を参考にしてみてください。

🔍 弓が原因の場合は、どんなに練習しても思うように上達できません。
まずは道具を見直すことが、弓の震えをなくす第一歩です。
4. 勘違い
「弓が震えてる!」と思っても、実はそう見えるだけのこともあります。
自分の耳には音がブレているように感じても、録画して見返すと安定していた…というのはよくある話。

私もよく勘違いしていました
不安なときは、スマホで自分の演奏を撮ってみましょう。思っているほど弓は震えていないかもしれません。
もしそうなら、それは安心して良いサインです。
音は響いているので、プルプルはバレない
仮に弓がプルプルしていても、他人からはプルプルしていないように感じることが大半。
それはなぜかというと、バイオリンの音は倍音が出ていて、その倍音の響きでプルプルは掻き消されるからです。
かなり至近距離で弓を注目されると流石に、プルプルはバレますが、そんな状況ってなかなかないですよね。
なので、基本的に弓がプルプルなっていても聴いている人にはバレません。
弓の震えを改善するための練習方法
それでは、具体的にどんな練習をすれば弓の震えを直せるのかを紹介します。
主な練習方法
- ボーイング練習
- 鏡を見ながらの練習
- 右手の形をチェックする練習
- 呼吸とあわせてボーイングする練習
ボーイング練習
「ボーイング」とは、弓を弦の上で動かすことです。
開放弦(指で押さえない弦)を使って、弓をゆっくりまっすぐに動かす練習をしましょう。
1本の弦につき、10秒以上かけて弾くと効果的です。
音が安定しているかをよく耳で聞いてみてください。
👉 詳しくは「ボーイングのやり方を初心者向けに分かりやすく徹底解説」を見ると理解しやすいです。
鏡を見ながらの練習
弓と弦が直角になっているか、鏡でチェックしましょう。


自分では「まっすぐ」と思っていても、実際にはずれていることがよくあります。
鏡を使うとそのズレを見つけて直せます。
右手の形をチェックする
右手の形が正しくないと、どんなに頑張っても弓は安定しません。
まずは「正しい持ち方」ができているか確認しましょう。
👉 詳しくは「【弓の持ち方】バイオリンの右手の形を徹底解説!」の解説を参考にしてください。
呼吸とセットでボーイング
弓を動かす時に「吸う」「吐く」と呼吸を合わせると、体がリラックスして震えにくくなります。
ダウンボウの時に息を吐いて(弓を根元から先の方向に弾く動作)
アップボウの時に息を吸うと(弓を先から根元の方向に弾く動作)
呼吸を意識すると弓は安定します。
人前で弾くときに震えをおさえるコツ
人前でバイオリンを弾くと、緊張して手が震えてしまうことがあります。
というか、私はバイオリン歴25年ですが未だに人前で演奏すると弓がプルプルなります笑
バイオリンで恥ずかしい思いをした方へ
— 🎻ねるねブログ♪ (@neruneblog) August 4, 2021
私は初心者の時、本番で緊張して弓がプルプル震えました。
「これは初心者だからしょうがないな」と思ってそれから21年。
今でも緊張してプルプルなる時があります。
つまりバイオリンは緊張する時はいつでも緊張するんです。
そんなもんです🐶
これは誰にでも起こることですが、私が心がけているちょっとした工夫をここでは紹介。
演奏前のストレッチ
演奏の前に、肩・腕・手首をゆっくり回して体をほぐしましょう。
血のめぐりがよくなり、体がリラックスして震えにくくなります。
あと、背伸びしながら深呼吸もよくやりました。
指のストレッチも効果的
指のストレッチはリラックス効果もあり、指の脱力にもなるからオススメですよ。
①手のひらを上に向けて
②手の甲をクイッと上に向ける形にして
③片方の手でそれぞれの指の先を手前側に押す
④それと同時にもう片方の手はぐいーーと前方に伸ばす
これをやるととても気持ちいですよ。
意識を一点に集中する
「ここにだけ集中しよう!」と自分で決めて演奏すると、不安な気持ちを追い出せます。
たとえば「弓の先を見て動かすことだけに集中する」といった工夫が効果的。
これは、とても有名な某バイオリン奏者に、
「演奏中に緊張しないコツはなんですか?」
と聞いた時に教えてもらったことです。
小さな成功体験を積む
いきなり大人数の前で弾くのではなく、家族や友達など少人数の前で弾くことから始めましょう。
少しずつ人前に慣れていくと、緊張が和らぎ震えも減っていきます。
最初は1人、
2人、
3人
と増やしていけばいいです。
弓の震えをなおすまでの目安
弓の震えは、すぐになくなるわけではありません。
でも、正しいやり方で練習を続けていけば、早ければ数週間、時間がかかっても数か月で弓が安定してきたと感じられるようになります。

最初はうまくいかなくても大丈夫。
毎日10分でもいいので、落ち着いて、ゆっくりと基本の練習を続けることが大切です。
いちばん大切なのは、毎日の少しずつの積み重ね。
少しでも「前よりできた」と思えると、自信がついてきて、緊張や不安も少なくなっていきます。
焦らず、一歩ずつ練習を続けていきましょう。
まとめ:弓の震えは必ず解消できる
今回は弓の震えについて解説してきました。
弓の震えを改善するためには以下の3点が大事です。
安心してください。
弓の震えは、練習と工夫で必ず克服できます。
今日から一歩を踏み出し、不安を安心に変えていきましょう。
独学で弓のプルプルは本当に解消できるのか?
ただ、独学だと正しいフォームや弓の使い方がわからず、「この練習で合っているのかな…」と不安になることもあります。
実は、多くの初心者が同じように悩んでいて、最初は独学でつまずいてしまう人がたくさんいます。
そんなときは、先生に直接見てもらえる音楽教室に通うのがおすすめ。

正しいフォームを教えてもらえるので、弓の震えを早く克服できます。
このサイトでは、初心者に人気の音楽教室オススメランキングを紹介。
どの教室も、やさしく丁寧に教えてくれると評判です。
特に、今から始める人向けに「無料体験レッスン」がある教室もまとめてあります。
まずは気になる教室をチェックして、無料体験で先生と一緒に弓の練習をしてみましょう。
→ [音楽教室オススメランキングを見る]

FAQ(よくある質問)
Q1. 弓の震えはいつまで続きますか?
A. 個人差はありますが、数週間〜数か月で安定してくる人が多いです。
Q2. 高価な弓を使えば震えはなくなりますか?
A. 品質の良い弓は安定しやすいですが、基本は技術と練習が大切です。
Q3. 本番で震えないための一番の方法は?
A. 呼吸を意識することと、場数を踏むことです。小さな本番を積み重ねましょう。
コメント